データサイエンティストを目指すためのロードマップ

はじめに

なぜこの記事を書いたか

「どうすれば未経験からデータサイエンティストになれますか?」というご質問をよくいただくので、自分なりに「今、自分が初学者に戻ったらこのようにデータサイエンティストを目指すだろう」というロードマップを整理しました。どなたかの参考になれば幸いです。

注意

ここ数年ですが、データサイエンティストという職業を過度に持ち上げるような情報が多く、過度な期待を寄せている方が多いように感じます。当然ですが、(データサイエンティストをはじめ他の職業も含めて)その職業につけば何でもうまくいくということはありません。働き始めてからが大変ですし、あなたの思ったような働き方ではないかもしれません。そういったリスクも踏まえてデータサイエンティストを目指されるのであれば、この記事は参考になると思います。また、リスクを軽減するための方法についても触れています。

ロードマップ

1. なぜデータサイエンスを仕事でやりたいのかを整理する

当たり前のステップのように思われるかもしれませんが、ここの整理が甘い方はとても多いです。恐らくですが「はじめに」で述べたように、データサイエンティストを過度に持ち上げる情報が多いためであったり、名前が何となくかっこいい(!?)ためだからでしょうか。

職種自体はあまり本質的ではなく、重要なのは仕事の中身です。データサイエンティストを目指すということは、「データサイエンスを仕事にしたい」という動機が明確に言語化できるようになるべきです。「実はデータサイエンスを仕事にしたいとは考えていないかもしれない」と思われるのであれば、少し時間をとって自分がやりたいことを掘り下げてみるのが良いかと思います。

実は、このステップは今後の勉強の効率に大きく影響します。
というのも、「データサイエンティスト」は定義が非常に曖昧であるためです。

どういうことかというと、各企業ごとにデータサイエンティストという職業の職務内容に大きなぶれがあるため、データサイエンティストを目指すということ自体がかなり抽象的な目標になってしまうからです。具体的には「勉強すべきことが多すぎる」という課題にぶちあたってしまいます。もちろん、中長期的には、多くのことを勉強しておいたほうが仕事の役にも立ちますし、次に他の企業でデータサイエンティストとして働こうと思ったときにも有利です。しかし、あなたは今はそんなことは言っていられないはずで、「できるだけ効率よく」勉強すべき対象を明らかにするべきです。

整理できたら次のステップに進みましょう。どうしてもうまく整理できない場合は、次のステップの中で整理すると良いでしょう。

2. 実際にデータサイエンティストの話を聞く

次に、実際にデータサイエンティストとして働いている方の話を聞きましょう。以下のような目的があります。

  • あらためて自分が目指す職業のイメージを掴む
  • データサイエンティストという抽象的な職業において、複数人に共通している(していない)職務・スキルを知る
  • 自分の背景からデータサイエンティストを目指すことに対する、客観的な意見を得る

問題はどうやってデータサイエンティストにコンタクトをとるか?ですが

  • MENTA
  • ココナラ
  • crowdworks

あたりが良いかと思います。1時間あたり~3000円程度の報酬で、きちんと活躍されているデータサイエンティストの方に話を聞くことができると思います。私もご対応させていただいております。

3. 学習計画を立てる

データサイエンティストを目指す決心がついたら、いよいよ学習計画を立てます。学習期間は各々のバックグラウンドによると思いますが、半年〜1年程度はかかると思ってください。

学習計画の立て方ですが、私は企業の募集要項から逆算する方法を推奨しています。ここまでのステップであなたが「データサイエンティストという職業に求めていること」が具体的になってきていると思うので、その内容を満たす企業を複数ピックアップしてください。そして、その企業の募集要項に共通しているスキルから勉強していきます。一つ注意しておくと、最終的にその企業の面接を合格することは目標にしなくても良いです。なぜならあなたが勉強している間に募集は終了してしまうかもしれませんし、他に良い企業が出てくる可能性もあるからです。ここでは、あくまで「学習計画を立てるための目安としてピックアップしている」ということです。もちろん、本当に行きたい企業が見つかれば、それは良いことですのでそこを目指してもよいでしょう。

学習項目として、以下のようなものが整理されていくイメージです。

  • 数学
  • 機械学習
  • 統計学
  • Python
  • ソフトウェアエンジニアリング
  • SQL
  • BIツール
  • ビジネススキル

次にそれらを「いつまでに」「どこまで」「どうやって」学習するのかを決めます。

いつまでに

あなたの中で譲れない転職のタイムリミットがあると思います。それと、理想的に必要な勉強量とのバランスをみて設定することになります。根拠が正確でなくてもいいので、「いつまでに」という期限は設定してください。これがあるとないとでは学習のメリハリが全く違ってきます。

どこまでに

募集要項に具体的な記述があれば、それが参考になるでしょうし曖昧であれば自分で調べて設定することになります。自分で判断が難しそうであれば、この段階で再びデータサイエンティストの方にコンタクトを取るのも良いと思います。

どうやって

「〇〇」「勉強方法」とGoogle検索すれば様々な勉強方法がでてくると思うので、自分にあったものを選択すると良いでしょう。ここもやはり難しければ、データサイエンティストの方に相談しても良いと思います。

4. 学習する

ここは計画の通りに学習をすすめるだけです。独学が難しければ、メンターなどをつけても良いかもしれませんがスクールなどはあまりおすすめしません。理由としては、スクールに通うとその課題をクリアすることが目的になってしまい「定めた学習項目の到達目標を達成する」という学習の目的からぶれてしまうためです。この目的を達成するためには独学ですすめるかメンターにマンツーマンでみてもらうかのどちらかしかないはずです。

5. 面接をうける

ここまでくれば後は面接を受けるだけです。長い期間勉強してきたのでいち早くオファーを得ようと焦ってしまいがちですが、当初の目的を忘れずじっくりと進めていきましょう。あまりにも面接に落ちてしまう場合は、これまでのステップのどこかが欠けている可能性があります。企業によってはフィードバックがもらえる場合などもあるので、それを参考に勉強しなおすかどうかを検討しましょう。

記事情報

  • 投稿日:2022年1月16日
  • 最終更新日:2022年1月16日